経済回復の兆し

6日の外為市場では原油価格が下げ止まったこと、新型ウイルス感染の世界的な拡大ペースが鈍化している兆候が見られることが好感され、リスク回避の動きが若干後退しました。

米国で最もその感染が深刻化していたNY州での新型ウイルスによる5日死亡者数は594人と前日の630人から減少。新型コロナウイルスによる死亡者が前日に比べ減少したのは初めてです。
今月末までの外出自粛が万が一延長された場合、一段の雇用削減や景気悪化の深刻化に繋がると警戒されています。
3月の雇用統計で非農業部門雇用者数は70.1万人の減少と予想を大幅に上回る減少となったほか、4日までの週次新規失業保険申請件数も700万件近くまで膨らむと警戒されている状況です。

また、イタリア、スペイン、フランスでも感染減少の兆候が見られ、外出規制などが奏功している証拠と見られています。
米国のトランプ大統領は作業委員会との5日の通例会見で、我々は最悪の週に突入するとしながらも、トンネルの終わりの明かりが見え始めたと楽観的な見通しを表明したことも好感材料となりました。

原油の下落は一段落

ロシアのソブリンファンドの代表者は、ロシアとサウジアラビアが協調減産において、「合意にかなり近づいた」と楽観的な見解を表明しています。
ただ、本日予定されていたOPEC加盟国と非加盟国の緊急ビデオ会合が美術的な理由で9日以降に延期されており、不透明感は存続します。
3月末で協調合意が執行したためサウジアラビアが増産に転じ、原油価格は一時20ドルを割り込み18年ぶりの安値を付け、新型ウイルスに加え新たな金融安定リスクになると警戒されているところです。