欧州通貨は軟調

ドルの上昇、背景にはユーロのPMIの低下が重石になっています。

本日は欧州時間に入ってのユーロ、ポンドの下落が相場の動きを左右する感じになりました。
ユーロにとってはドイツおよびユーロ圏の10月のPMI速報値がいずれも予想に届かなかったことがユーロの上値を抑えている形です。
ポンドの下落に関しては、直接的な売り材料があるわけではないのですが、ブレグジットの交渉行き詰まりがポンドの下落の一因と考えられています。
トゥスクEU大統領は交渉の継続姿勢を強調してはいましたが、具体的な打開策には言及しておらず、イマイチ、ユーロやポンドの買いに回れないため、対ユーロに対してのドルは上昇、上海株の上昇や、日銀のETF介入などで日経平均もプラスとなっています。
ただ、上昇圧力自体は弱く、現在は113円台には乗り切らない感じでのレンジ形成となり、方向性を決めるための材料待ちの相場となっています。

利上げを続けるFRB

年末に向けて企業の自社株買いが活発になり株価の上昇するアノマリーの株式市場ですが、今年はFRBの利上げもドル買いの追い風となっています。
イエレン前FRB議長が慎重に利上げを行なっていたのに対して、パウエル議長はその遅れを取り戻すかのように急速に利上げを進めていますが、トランプ大統領は23日、利上げ継続を示唆するパウエル議長について、”利上げを楽しんでいるようだ”と指摘し、議長指名を公開しているかどうかについては「言うのは早すぎるが、そうかもしれない」と述べています。
そのほかにも大統領は「われわれが何か素晴らしいことをするたびに、金利が引き上げられる」と不満を漏らし、オバマ前政権時代と比べ、FRBは金利引き上げを急ぎすぎていると指摘し、米経済にとって「FRBが最大のリスクだ」と訴えました。

イエレン議長は続投の意思があったのに対して、自分がFRB議長を指名したいとの一心でのパウエル議長の起用に関しては自業自得だと思います。。。
もともとイエレン議長は慎重派で、利上げに関しては、もう少し前から順当に行なって行けばよかったし、イールドカーブで見ても利上げに踏み切ってもよかったのですが、当時のFRBは政策を慎重に進めていった結果、利上げが後回しにされていました。
それがパウエル議長が指名され、今までの遅れを取り戻すかのように利上げに踏み切ったため、トランプ大統領にとっては不満なのでしょう。
FRBに関しては中立性が求められる機関のため、トランプ大統領が今後どのように干渉してくるかには、市場も振り回されそうです。

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