27日の外為市場では新型ウイルスに対処する各国政府による財政・金融刺激策に加えて世界各国が徐々に経済活動を再開する段階に移行しつつあることがリスク選好の動きに繋がると見られます。
資金調達や質への逃避としてのドル買いが後退。本日は米4月ダラス連銀製造業活動指数の発表や米財務省が計画している2年債・5年債入札の結果を睨む展開となりそうです。
米4月ダラス連銀製造業活動指数は-71.5と3月-70.0以上に悲惨な結果に落ち込む見込みで更なるドル売り圧力となる可能性があります。
新型ウイルスの感染ペースは一時に比べて鈍化しつつあり、このため、米国の南部の州では先週から経済活動の一部を開始。
欧州で被害が大きかったイタリアは5月4日、米国全体の感染者の半数以上を占めたNY州でも5月15日以降に一部経済活動の再開も可能だとの見方を知事が示し投資家の安心感に繋がっています。
また、今週は連邦公開市場委員会(FOMC)をはじめ各国中銀による金融政策決定会合が目白押で、まず、日本銀行は27日の会合で国債購入の上限を撤廃、CP・社債購入の増額を決定。欧州中央銀行(ECB)は定例理事会でPandemic Emergency Purchase Program (PEPP).で現行の7500億ユーロから1.25兆ユーロ規模に拡大する見通し。
連邦準備制度理事会(FRB)も連邦公開市場委員会(FOMC)で大規模緩和を据え置き、フォワードガイダンスを利用しハト派姿勢を強めると見られています。
中国はオーストラリアに経済的ボイコットを警告
駐オーストラリア中国大使は、23日付の豪経済紙に掲載されたインタビューで、新型コロナウイルスの感染拡大への調査を要求することは、豪州産ワインや同国への旅行のボイコットにつながりかねないと警告しています。
オーストラリアは米国と共に、新型ウイルスの流行が、中国中部における局所的な流行から、20万人以上の死者、数十億人に対する外出制限、経済への大打撃をもたらした世界的な大流行へと変化したのかについて、徹底的な調査を要求しています。
駐オーストラリア中国大使はインタビューで「もしこのムードがさらに悪くなれば、『中国に対してそこまで友好的でない国に、なぜ行かなければならないのだろう」と人々が思うようになる。観光客が考え直すかもしれないということだ」
「それを決めるのは国民だ。もしかしたら、一般市民が『どうしてオーストラリアのワインを飲まなければいけない? オーストラリアの牛肉を食べないといけない?』と言うかもしれない」と述べました。
さらに新型ウイルスの大流行に伴う渡航制限で危惧される、豪大学の主要な収入源である中国人学生の流れにも言及。
「学生らの親も、友好的でないどころか敵対的ですらあると分かったこの場所は、子どもたちを送るのに最善なところなのだろうかと、自問する可能性もある」と発言しています。
それに対してオーストラリアのペイン外相は27日、中国政府に対し「経済的な威圧」をやめるべきだと主張しました。
中国に経済を頼ってるオーストラリアが中国との間に摩擦が生じるとオーストラリアにとっては深刻な問題となりそうです