21日の外為市場では比較的良好な経済の米国の資産に投資資金が流入、ドル買いが優勢となっています。
世界的に新型コロナウイルスの影響は続きます
新型肺炎が収束する兆候はいまだに見られず、WHOは中国国外での感染拡大ペースが加速する可能性を警告。
新型肺炎の影響で「質への逃避」にも拍車がかかり、ドル買いが続いています。
市場は新型肺炎の感染拡大が米国経済にも影響すると、米連邦準備制度理事会(FRB)の年内少なくともあと1回の利下げに踏み切ることを織り込みました。
一方で、FRBは市場の利下げ予想に懐疑的で、現況では見通しを修正する理由はなく、現行の政策金利が適切だと見ています。
年内の利下げ観測が後退しつつあることもドル買い材料となる。本日は米国の2月製造業PMI速報値や1月中古住宅販売件数が相場材料となります。
住宅ローン金利の低下や強い雇用が奏功し、米国の住宅市場は強く、成長を支援していて、また、クラリダ米FRB副議長がメスター米クリーブランド連銀総裁と討論会出席を予定しており、発言に注目があつまります。
政策据え置き見通しを繰り返すとドルをさらに支援する可能性もありそうです。
クロリダ副議長は20日、CNBCとのインタビューで新型肺炎が第1四半期の中国経済に影響をあたえることは必至だと指摘。また、中国経済が米国経済の多くを占めると警告しました。
しかし、現在のところ、新型肺炎が米国の金融政策の修正を必要とするような証拠がないとし、リスクは存続するが、米国経済は「強い」と主張。
労働市場も強く、新型委肺炎の影響を判断するのは「時期尚早だ」と加えました。
米金利先物市場の利下げの織り込みを払拭させるべく、「利下げの可能性は高くない」との考えを示したかたちです。
比較的好調な米国経済と対照的に世界経済には改善の兆しはなく、米中第1段階貿易合意で貿易への不透明性が若干緩和したためユーロ圏、ドイツ、英国の製造業PMIは予想を上回る回復を見せました。
英国は予想外の50以上に回復したものの、ユーロ圏は13カ月連続、ドイツは14カ月連続の50割れとなっています。
世界のPMIも依然50割れが続いています。
日本の2月のPMI製造業も10カ月連続の50割れで、過去最低を記録しました。
日本の10−12月期国内総生産(GDP)は増税が響きマイナス6.3%。
金融危機により世界経済が景気後退から脱出する直前の2009年1−3月期以降で最低の伸びを記録し、今四半期は新型肺炎による影響が加わり、成長が一段と落ち込むと見られ、2四半期連続のマイナス成長でテクニカルリセッションを織り込む円売りも続いています。
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