好調な経済を反映して上昇基調にあったドル円ですが、5度目の114円チャレンジでも壁を突破できず、113円を割り込んできました。
日経平均も下げ幅を拡大していることもあり、じりじりと円高に向かっています。
東京市場が休みであった月曜日の日中はボラティリティが少なかったのですが、一転、海外市場のオープンとともに、113円を割り込み、112円台をつけ、9月27日以来、1週間半ぶりの安値圏へと下落しました。
昨年3月に115円台を割り込んで以来、ドル円の上限となってきた114円半ばですが、5度目の挑戦となった今回も上抜けできず、昨年5月と7月、10月、11月となんども上抜けを試したものの、その都度跳ね返されています。
今回も先週末から、前日にかけて対ドルで最も買われた主要通貨は円で、イタリア、英国、中国初の株安が不安心理を高め、円高となっています。
IMM通貨先物部門の取り組みによると、10月2日までの週の円の売り越しは2万9327枚増の11万4046枚と、今年2月以来の水準へ拡大しました。
短期的には円の買い戻しが入りやすい状況みたいです。
本日もアジア時間には中国市場動向が焦点になりそうで、株価の下げが続けば、円に買いが入りやすいかもしれません。
インドネシアのバリ島で12日から14日まで国際通貨基金(IMF)・世銀年次総会が開催
ドイツ連銀はここで、世界的な景気悪化の可能性が高まったとして、政府にとってキャッシュ確保が急務になるとの見方を示す見通しです。
世界の成長はなお旺盛だが、景気循環はピークを過ぎたと指摘、一方、貿易摩擦やブレグジット交渉に伴う政治的不透明感により、リスクは高まったと強調。
IMFは年次総会を控えて公表した世界経済見通しで、今年と来年の世界成長率をいずれも3.7%とし、3ヶ月前に示した3.9%から引き下げました。
世界経済は成長の勢いに衰えが見始め、好調な主要通貨の影で、ブラジルやトルコなどの新興国の弱さが隠れていることを新たな予測では示唆しています
ブレグジット交渉は継続中
イギリスのメイ首相は保守党大会を比較的平穏に乗りきったみたいです。ブレグジットに関しては英国のラーブ担当相がEUのバルニエ首席交渉官と交渉をつづけるみたいです。10日には、バルニエ氏がブレグジット草案を欧州委員会に提出する予定です。
この草案は10月17日のEUサミットで各国首脳が交渉の進捗を評価する際の材料になります。
状況によっては、このサミットで11月の臨時サミット開催の是非や交渉継続・打ち切りの判断が示される可能性があり、ポンドが上下する可能性もあるので急な相場の動きには注意が必要です。
イタリアは第二のギリシャになるのか
ユーロやイタリア長期金利は、イタリアの予算案に振り回されていて、この状況はまだまだ続きそうです。
イタリアは、2019年の財政赤字目標をGDP比2.4%としていますが、実際は赤字がEUルールである3%以内に抵触する可能性があり、イタリアの連立政権は、当初2.4%としていた2020〜2021年の目標を引き下げるなど、EUに譲歩する姿勢も見せています。
ただ、連立政権は選挙公約に掲げていた、一律税率や、最低所得保障などの実現に引き続き前向きに取り組む意向みたいです…
今後、詳細な予算案を10月15日までにEUに提出する必要があり、内容次第では再びのユーロ売りとなるかもしれません
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