日銀金融政策決定会合

日銀の黒田総裁は31日の金融政策決定会合後の記者会見で、保護主義的な政策は当事国だけでなく世界経済全体に影響を及ぼす可能性があると述べて、警戒感をにじませました。
日銀は今回の会合で、現行の金融緩和政策を維持し、景気については緩やかに拡大しているとの判断を据え置きました
現在問題になっている貿易摩擦についても影響は限定的としています。
今後の経済の見通しについてはかいがい経済の動向を中心に下振れリスクが大きいと明記しています。
黒田総裁は貿易戦争が企業や消費者の心理、金融市場に波及する可能性に言及し、保護主義的な動向、影響は我が国の経済のリスクの一つとして認識しており、注意深く見ていきたいと強調しました。
日銀の政策委員9人のうち4人が、18年度の成長率の下振れリスクが大きいとみています。
他にも委員の一人からは、決定会合前に、なぜまだ経済統計に貿易摩擦の影響が出ていないのか不思議だ。これから影響が出るだろうから、経済見通しを下げておいたほうがよいかもしれないと述べています。

米中貿易戦争、日本経済への影響は限定的

対象品目が2000億ドルにのぼる米国による第三弾の対中関税は9月24日に発動したばかりで、9月までの統計に影響はあまり出ていない感じです。
中国の輸出は10月以降に落ち込む可能性があるとの見方が多いです。

中国経済は減速

インフラ建設などが低迷しており生産の増加ベースは鈍化し、在庫は積みあがっています。
生産の増加率から在庫の増加率を差し引いた生産在庫バランスは、プラス0.2と16年2月以来の水準に低下しました。
貿易戦争の影響が本格的に出れば成長率を下げる可能性があります。
中国や米港の経済が失速すれば日本からの輸出も落ち込みます。
日銀は日本経済成長のためには外需が必要であるとの考え方を示しており、このまま貿易戦争が続いて世界経済が停滞してしまえば、日銀は厳しい対応を迫られそうです。
すでに超低金利や大量の国債買い入れによる副作用の懸念が強まっている中での追加の緩和は限定的になるかも知れないからです。
日銀が緩和策の一環で進めるETFの買い入れには株式市場をゆがめているとの批判も多く、出口戦略を考えていかなければ日銀の株買い支えにより浮遊株は減少し、株式市場はさらに歪んでいくかもしれません

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