予防的利下げ

5日に発表された6月の米雇用統計では、就業者の伸びが予想を上回りました。
これは米経済が依然力強いとする証明にもなりますが、今月のFOMCでの利下げが実施される可能性は未だに消えていません。

FRBは先月、利下げの理由となりうる経済リスクに言及した時に、労働市場の健全性については全く触れていませんでした。
そのため、今回の好調なデータが、利下げを正当化する他のリスクに対するFRBの見方を大きく帰ることになるかどうかは不透明です。
前回言及した他にリスクは世界経済の成長鈍化や、貿易摩擦に起因する不透明感の高まりなどで、これらは設備投資の重しとなる可能性があります。
パウエル議長は先週ニューヨークで、5月上旬以降、景気見通しに関して、非常に多くのことが変化したと発言し、ここ6〜8週間でグローバルリスクの様相が変わった。問題は貿易の行方と世界の成長懸念だと指摘しました。

6月の雇用統計の数値がよかったため、市場では7月の利下げについては、予防的な利下げのため、今回は見送るのではないかとの声も聞かれてきました。

来週は、パウエル議長の半年に一度の議会証言があります。
10日に下院、11日に上院で行われ、今月29ー30日に行われるFOMCでの利下げを行うかどうかについて、なにかしらヒントになるような内容の発言をするのかどうかが注視されそうです。

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