リスクオフの流れ

22日の為替市場、ドルが売られて円が買われました。
全通貨でも円が強くリスクオフの流れとなった感じです。
原因としては北朝鮮問題。
トランプ大統領は22日、6月12日にシンガポールで予定されている歴史的な米朝首脳会談が、予定通りに実現しない「相当の可能性」があると述べました。
一旦軌道に乗ったかのように見えた北朝鮮問題も再び振り出しに戻るかもしれないという失望からの株価の下落、リスクオフからの米国債買いで金利が下がり、為替も下落しました。
それとトルコリラの暴落です。

新興国通貨、ついにトルコリラも暴落へ

中央銀行への圧力を強めるトルコのエルドアン大統領の姿勢に対し、格付け大手フィッチ・レーティングスは22日、「金融政策の独立性が一段と損なわれ、トルコの国家としての信用力にさらに圧力がかかる」と警告し、同日の外為市場でトルコリラは急落。対ドルでは一時1ドル=4.68リラ台までリラ安が進み、最安値を更新しました。
対円でもついに23円を割り込み、一時22.24円まで下落。
トルコリラは昨年25円をつけた時にここが底値だと買ってスワップポイント目当てにホールドしていた人も多いと思うのでどうなったのか気になります。

深夜にはトルコリラは過去最安値からの反発です。

トルコ中銀が臨時政策会合を開催するとの報道で、リラ安是正策への措置が取られると思惑が広がり、その後リラ安是正の措置として、LLW金利(Late Liquidity Window Interest Rate:金融機関に対する緊急的な貸出に適用する金利)を300ベーシスポイント引き上げ16.3%に設定しました。
もともとトルコリラってそんなに動く通貨でもなく、レバレッジかけずに1万通貨保有している人もいるくらいなのですが、今晩に限って5分で20から30銭、いきなりの急上昇やいきなりの急降下を繰り返し不安定さを浮き彫りにした感じです。

結局は米国の利上げがドル高を招き、その反動でリラ安に拍車をかけた状況です。
リラは対ドルで連日史上最安値を更新しています。
昨日ブログにも書いたように、トルコのエルドアン大統領が政治的な理由から利上げに反対する方針を表明したこともリラ売りの一因です。

FOMC議事録公表も特にサプライズはなしで

不安定なトルコリラは気になるところですが、22日深夜発表されたFOMC議事録では、メンバーは経済が順調に展開した場合、緩やかな利上げ軌道を継続すると見ていることが再表明されたほか、インフレの若干のオーバーシュートが有益になる可能性が指摘されました。
また、近く次の利上げが適切になると大半が予想していることが明らかになり、市場の6月の利上げ見通しがほぼ確実視されました。
原油価格の上昇がインフレを押し上げる可能性に言及されましたが、「全般的に賃金圧力は依然緩やか」との指摘にとどまり、FOMCが利上げを急いでいないことが再確認されると、ドル買いが再び後退、円が買われる流れとなりました。
ただ、この議事録でもそうですが、6月の利上げがほぼ確実なものとなった限りではしばらくはドル円底値は堅そうです。

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