米財務省は17日、半期に一度の米国為替報告書を発表しました。
対中貿易赤字の削減に向け輸入関税を導入する中、市場の関心は中国の為替操作国認定に集まっていましたが、今回は認定を見送りました。
最近の中国の人民元の下落は米国の貿易赤字の増加につながる見込みだとした上で、中国による直接的な為替介入は限定的との見方を示し、ムニューシン財務長官も、とりわけ中国の為替の透明性欠如と最近の元安が懸念材料だと指摘しています。
今回の発表では、引き続き中国、インド、日本、ドイツ、韓国、スイスを為替操作国監視対象に指定しています。
ダウは一転下落もドル買いは継続
16日の好調な株価から一転、一時310ドル超下落したことで為替も下落しました。
その後、17日に公表されたFOMC会合の議事要旨では、メンバーの過半数は長期的に中立とみられる金利水準を一時的に上回ることを支持していたとの記述が含まれ、若干のタカ派の内容により為替は再びドル買いの方向へと動きました。
中立的な水準については、市場関係者の多くは3%程度と予想しています。
アメリカの膨らむ財政赤字
トランプ大統領は17日に、各省庁の歳出を一律5%削減する案を提出するよう閣僚に指示しました。
大幅減税などにより財政赤字が膨らみ、6年ぶりの高水準となっており、赤字縮小を目指す見通しです。
アメリカの借金は膨らむ一方、トランプ政権は2020年度の歳出計画について取りまとめを開始しており、予算の編成方針は、来年の予算教書で明らかになります。
アメリカはこの双子の赤字、貿易赤字と財政赤字が慢性的に続いている状態から、いつかは脱出することができるのか、アメリカ政府の最大の課題でもあります。
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