日本は大型連休に入ってますが、連休中の円安進行に注意が必要との声が出ています。
世界的な景気後退への懸念はリスク回避的な円高圧力となり続けるのですが、参加者の持ち高がすでに買い持ちに傾いている円は、一部都市の封鎖解除などを手掛かりに売られやすくなっているといわれています。
連休中のフラッシュクラッシュの可能性
今回の大型連休中は円の急騰、いわゆる「フラッシュ・クラッシュ」が発生する可能性は高くないとの見方が優勢です。
最大の理由は、すでに参加者の間で円買いが目立っているため、米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取り組み状況によると、円は3月半ばから買い越し基調が継続。世界の投機筋は小幅だが、すでに円を買い上がっている状況です。
日本の個人投資家も、円の売り持ちポジションを大きく圧縮しています。
金融先物取引業協会によると、店頭外国為替証拠金取引(FX)各社を通じたドル/円の買い持ちは、3月末時点で2837億円、前月末から7割超減少しました。
円相場でフラッシュクラッシュが発生する条件のひとつは、事前に円の売り持ちポジションが積み上がっていること。
その分、損切りの円買い圧力を秘めた状態となるため、薄商いの中で円をうまく買い仕掛けることができれば、損失確定の買いが発生して値幅が大きくなり、仕掛けた側の利益はより大きくなります。
一時は「ほぼ毎日、日本の個人投資家の持ち高状況を問い合わせてきた」(外銀)海外投機筋も、世界各地で「不要不急の取引は手控え」(別の外銀)て、恣意的な仕掛け売買は実現しづらい状況ではあります。
1日時点で年初来の主要通貨パフォーマンスで、最も強いのは円。スイスフラン、米ドルと続いています。
一見、リスク回避の円高地合いに変わりはないが「感染者の 増加数がピークに達しつつあり、各国で政策が現実に動き出し、ロックダウンは一部解除される。凍てついたリスクオンムードは少し戻るかもしれない(トレーダー)との声も出始めています。