12日の為替市場では、午前中上値の重い状態が続いていましたが、トランプ大統領がツイッターで、対中関税引き上げを10月1日から10月15日に延期するとの発表で、10月の米中通商協議の進展への期待感からドルが買われる流れとなりました。
10月1日の中華人民共和国建国70周年や、その後に行われる第19期中央委員会第4総会を意識した動きで、これらのイベントが終わるまでは通商協議に関しては期待感が高まりそうです。
ただ、中長期的に見てみると、イベント終了後に両国が互いの言い分を認めるかどうかは分からず、通商交渉が期待通りに決着するかどうかは未知数で、9月末の日米通商交渉の合意発表で為替条項などが含まれ、円安の流れが止まる可能性もあります。
トランプ大統領も中国の事情を察してか、譲歩している点を考えると、しばらくはリスクオンの地合いは続きそうではありますが、来週のFOMCでまた風向きが変わるかもしれないため、注意しておいた方が良さそうではあります。
ECBはQE再開、マイナス金利深掘りも
ECBは12日に開催した定例理事会で中銀預金金利の下限を0.10ポイント引き下げー0.50%に決定しました。
同時に11月1日から月額200億ユーロの国債買い入れを再開するほか、貸し出し条件つき長期資金供給オペの期間を2年から3年位延長すると発表しました。
また、マイナス金利の副作用の対応として金利階層化を導入し、強く収縮するまで金利は現状以下となるとフォーワードガイダンスを期限設定から強く収束するまでに変更。国債購入も、必要である限り再建購入へと無期限となりました。
ECBは同時に経済の見通しを発表し、2019年の成長見通しを1.1%、2020年1.2%へそれぞれ引き下げ、さらにインフレ見通しを引き下げました。
今回の内容はハト派の流れが強く、ユーロ売りは加速しましたが、その後、EU経済圏でも影響力のある国の中銀総裁がQE再開に反対したことが明らかになると、ユーロにショートカバーがはいり買い戻しの流れとなりました。
EU経済圏でも、米中貿易戦争の影響や、ブレグジットといった外部要因が域内経済を圧迫しているみたいで、こういったリスクが、世界経済に悪影響を与えているといっても過言ではなく、来週のFOMCでどのような対策を打ってくるのか、注目が集まります。
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