本日の東京市場は、特に注目イベントもなく、112円台後半での小幅な値動きとなっています。
ドルが軟調な展開となった背景には、16日のFRBのクラリダ副議長の発言がきっかけとなりました。
副議長はCNBCとのインタビューで世界的な減速を示唆する証拠はあるとの見方を示した他、米金利はFRBが中立金利とみなす水準に近づいているとして、経済の現状、FRBの景気見通しを踏まえると、中立的であることは理にかなうと述べています。
市場では米利上げが順調に進むとの見方が崩れ、来年は3回の見通しだった利上げに関しても不透明になり、もしかしたら1回の利上げすら無くなるのではないのかとの市場の声も聞かれます。
足元の株安や、原油安、欧州政治の不透明、米ドル実効レートの上昇から、利上げ観測がやや後退しています。
年末控えて短期筋の調整も
先週末のドル急落については、他にも多くの参加者が一斉に持ち高調整の売りに動いたことが値幅を広げた可能性があるとの指摘もありました。
米商品先物取引委員会の集計によると、短期筋のドル買い持ちは今月6日時点で約3年ぶりの高水準に膨らんでおり、年末に向けていったん持ち高調整が入ってもおかしくない情勢だったと言われています。
実際にも直近の13日時点では買い持ちが縮小しています。
不安定な欧州政治情勢
英国では、メイ首相の不信任投票が実施される可能性が出てきています。
メイ首相が辞任となれば、ブレグジット交渉はさらに難航しそうです。
メイ政権は臨時閣議でブレグジット協定案を了承しましたが、その直後からメイ首相に抗議して、ラーブ離脱担当相や、マクベイ労働・年金相が辞任、さらに複数の閣僚が辞任する可能性があるみたいです。
英国の閣議了承を受け、25日に臨時EUサミットが開催される方向で、臨時サミットでは加盟国首脳がブレグジット協定を承認し、これを持ち帰って各国議会で意見を求める手はずです。
トゥスクEU大統領は、何か重大なことが起きなければサミットを開催すると語りましたが、メイ首相降板となれば、重大なことに該当する可能性があり、あるいはメイ首相降板で臨時サミットを開催して、合意なき離脱への対応を検討することになるかもしれません。
21日には欧州委員会がEU各国の予算案に対する見解を表明します。
イタリアの予算案が財政ルールに抵触するとの報告書を提出する可能性があり、イタリアに財政赤字削減案を求めるかもしれません。
イタリアは、予算案は修正しない姿勢を堅持しており、両者の対立が浮き彫りになりそうです。
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