米雇用統計とトランプ大統領のコロナ感染

2日の為替市場はドル高・円高の流れが強まっており、ドル円は105円台前半で推移しています。
トランプ大統領とメラニア夫人がウイルス検査で陽性だったことが判明したことで、市場ではリスク回避の雰囲気が強まりました。
このニュースが東京時間に伝わると、ドル円は一時104円台に下落する場面も見られました。
ただ、ロンドン、NYにかけて下げ渋る動きも出ており、105円台は維持しています。
トランプ大統領の症状が「軽度」と伝わったことも安心材料ではあります。

ただ、大統領選まであと1カ月のタイミングでの衝撃的なニュースに、市場は不安感を強めているようです。
ホワイトハウスは既に2日のフロリダ州での集会を含め、大統領の公的イベントを全てキャンセルしました。
トランプ大統領は少なくとも10日間は遊説を行えない可能性があり、今回の陽性判明はパンデミックへの対応の問題を巡り議論となりそうです。

市場では円高を予想する動きが増え、オプション市場では年内に103円台に下落する確率を80%弱まで高めています。

なお、本日は米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数(NFP)は66万人と予想を下回ったものの、前回分が上方修正されたほか、失業率が7.9%と8%を下回ったことから、少なくともネガティブな反応はみられませんでした。
トランプ大統領の陽性判明で材料視するには弱くなったのかもしれません。