21日の外為市場では原油動向や米国の追加中小企業救済法案の行方が株式相場の動きを左右する流れとなりました。
本日期限のNY原油先物の5月限は20日、史上初のマイナスで引けたため、信用不安などが浮上。リスクオフの動きにつながりました。
原油先物価格が史上初めてマイナスとなったことがネガティブ視され、東京株式市場も流れを引き継いで189円安からスタート。
朝方の売りが一巡すると下げ渋る場面も見られましたが、北朝鮮の金正恩委員長が重体との報道やトランプ米大統領が移民入国を一時停止すると表明したことが伝わり、後場に入り一時19193.22円(前日比475.90円安)まで下落しました。
原油は、供給過剰に加えて新型ウイルスによる経済封鎖で需要がほぼなく、価値もほぼなくなったことが大きな売り圧力となりました。
現在、供給過剰で、石油貯蔵庫の余裕なく、多くの先物保有者が期日での現物引き渡しを回避する動きを加速させたと考えられています。
時間外で6月限も30%安で取引されていたのですが、米国のトランプ米大統領が石油・ガス会社の資金援助計画、策定を発表したため、5月限はプラスに転じました。
6月限も下げ止まり、原油価格が持ち直すと、投資家間に若干の安心感が広がる場面も見られました。
ちなみに原油の世界統一のマーケットは存在しません。
原油マーケットは世界各地にあり、先物市場については、北米・欧州・アジアが三大市場です。
WTIは米国内でしか消費されない石油で、英国とノルウェーの経済水域に位置する北海にある海底油田が産地の北海ブレンドは欧州の原油価格の指標です。
ドバイ原油は先物ではなく現物で、日本の東京商品取引所(TOCOM)に上場されています。