14日の為替市場では米中貿易戦争の行方に加えて、本日昼に発表された中国4月の小売売上高が予想を下回ったことと米国の小売や鉱工業生産も予想外のマイナスに落ち込み警戒感を強めています。
米国経済の7割は消費が占めるため、特に小売売上高には注目が集まります。
1ー3月期のGDPは+3.2%と予想以上に強い成長が示されましたが、4ー6月期のGDPの伸びが鈍化する可能性が警戒されています。
関税の影響が加わると、消費や製造業の活動がさらに鈍化する危険もあり、米2年債利回りは低下し、2018年2月以来の低水準となりました。
冴えない経済指標が利下げの圧力に
小売売上高がマイナスに落ち込み、トランプ大統領によるFRBへの利下げの圧力にも警戒が必要になってきています。
また、毎年4月中旬に発表されている米財務省の為替報告書は、米中通商協議に合わせて発表が先送りにされてきたと思われ、本日以降の発表に警戒感が強まっています。
本日夜にはリスク選好のドル買いへ
米政府高官の話として、トランプ大統領は輸入車に対する関税発動を最長6カ月延期する考え、との報道が伝わると、投資家のリスク回避姿勢が後退し、円売りドル買いが強まりました。
安く始まった米国株式相場が持ち直したことも相場の支援材料となり、ドルが買われています。
現在はテクニカルよりも、いつ出てくるかわからないファンダメンタルでのリスクの方が高いため、フラッシュニュースやトランプ大統領のツイッターなど常に警戒が必要な状況になっています。
来月にはG20が大阪で開催されますが、それまで問題を先延ばしにするのか、話し合いでの合意に至るのか、米中貿易戦争はまだまだ問題が山積みとなっています。
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