ワクチン期待でのリスク選好

週明け月曜日の為替市場はリスク選好の雰囲気が強まっているもののドル円の上値は重く、104円台半ばでの取引となっています。
朝方はワクチン開発のモデルナが臨床試験に関する暫定結果を報告し、それを受けて円売りが強まった。ドル円は瞬間的に105円台を回復する場面が見られたものの、上値での戻り売りが強く105円台は維持できませんでした。
その展開を見て、ロング勢も見切り売りを出している可能性もありそうではあります。

米国の製薬会社ファイザーに続き、米バイオのモデルナが同社開発の新型コロナウイルスワクチンを巡る大規模な第3治験で94.5%の有効性が確認されたとの暫定分析結果を発表

モデルナについては、第3フェーズの臨床試験で治験者の94.5%に効果が表れたとの結果です。
そのほか同社は、ワクチンが冷蔵庫の温度で30日間の安定を確認したと発表しています。
ファイザーのワクチンの場合、モデルナと同様のメッセンジャーRNA(mRNA)技術に基づたワクチンだが、マイナス70℃以下で保管する必要があり、広範囲の普及は現実的ではないとの指摘も聞かれ、承認されたとしても使用を躊躇する医療機関も出ていました。

モデルナの暫定結果はポジティブなニュースと思われ、米株も上昇しているもののドル円の反応は鈍く、きょうの場合、リスク選好のドル売りに上値を抑えられているというよりも、円安が強まらないことがドル円を圧迫している模様です。
ユーロ円やポンド円といったクロス円もモデルナのニュース後の上昇から、同様に戻り売りに押されています。