ユーロやポンドの売り優勢に

21日外為市場では欧州、英国でのウイルス第2波や経済封鎖懸念が強まりユーロやポンド売りが優勢となりました。

英国のジョンソン首相はウイルス感染件数の急増で再び経済を封鎖する可能性を警告。経済封鎖懸念は景気先行き見通しを悪化させます。
万が一、欧州連合(EU)との通商交渉も難航し、合意ない離脱懸念が強まる中、経済が封鎖されれば英中銀は次回会合にもマイナス金利を導入するとの思惑も強まりつつあり、ポンドが売られる結果となりました。

ラガルド総裁がユーロに言及

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は21日、欧州の景気回復は不確実性が高く、かつ一様でなく、新型コロナウイルス感染拡大を巡る状況を含め、入手可能なさまざまなデータを「極めて注意深く」検証する必要があるとの考えを示しました。

ラガルド総裁は講演で「現在は不確実性が高まっているため、外国為替相場の動向を含む入手可能な情報の注意深い検証が必要になる」と指摘。
「回復の力強さを巡る不確実性は極めて高い。回復は一様でなく、完全なものでもない。(回復の道筋は)新型ウイルス感染状況の今後の展開、および感染拡大抑制策の成功に引き続き左右される」と述べています。

このほか、ECBはユーロ相場の上昇を注意深く見守っているとも表明。「ユーロ相場の上昇は、さまざまな部門に影響を及ぼす。金融政策に関連する部分では、ユーロ高で物価水準に下向き圧力がかかる」とし、「われわれはユーロの上昇を極めて注意深く見守っており、金融政策を決定する際に考慮する」と述べました。

これらのユーロ高へのけん制や、欧州内での新型コロナウイルス患者の増大により再びロックダウンとなるのではないかと言う懸念も重なり、欧州通貨は売られています。