パウエル議長の証言

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は22日、米経済がコロナ禍が引き起こしたリセッション(景気後退)から「著しい回復」を示しているものの、見通しにはかなりの不透明性が存在するため、FRBは必要に応じ一段の措置を講じると表明しました。

パウエル議長は下院金融サービス委員会で証言し、コロナ危機の打撃を受けていた雇用や家計支出が回復したものの、依然として危機前の水準を大幅に下回っているとし、「今後の見通しにかなりの不透明感が漂う。人々が幅広い活動再開するのに安全と感じるまで、完全な回復が実現する公算は小さい」と語っています。
さらに「可能な限り力強い回復を実現させ、経済への長期的悪影響を制限するため、FRBは引き続き必要とされる期間、あらゆる政策手段を講じることにコミットする」と言明しました。
ドル円は、地区連銀製造業指数や8月中古住宅販売件数が予想を上回ったため米債利回りの上昇に伴うドル買いが継続しています。

好調だったユーロに陰り

欧州や英国では引き続き新型コロナウイルス感染の再拡大が見通しに悪影響を与えています。
欧州中央銀行(ECB)や英中銀が追加緩和に踏み切るとの思惑が引き続きユーロやポンド売り圧力となり上値を抑制すると見られています。
ただ、英中銀総裁は近くマイナス金利を導入する状況にないとしており、一部の憶測を払拭。
いったんポンド売りが後退しています。ジョンソン首相は「危険な転換点に達した」としバーやレストランの開店時間を短縮する。規制は少なくとも6カ月維持される模様で景気見通しは低迷すると見られポンドの上値は抑制されています。

EU首脳会談も延期

ミシェルEU大統領は、今週24日、25日に予定されていたEU首脳会談を、次週10月1日、2日に延期すると発表した。理由は同大統領がウイルス検査で陽性が判明し、隔離措置になっているためとしている。大統領の報道官がツイッターで発表。