FRBの利下げ観測

世界経済の悪化から、米国経済も景気後退に陥るのではとの脅威が高まる中、米利下げ観測が強まりつつあり、ドル売りの要因となっています。
2019年のFOMCの投票権を持ち、ハト派のブラード米セントルイス連銀総裁が貿易戦争などをめぐり、近く利下げが正当化される可能性を指摘したため市場では利下げ観測がさらに強まりました。
一方で同じくハト派のカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「利下げを必要とする兆候はまだ見られないと」慎重姿勢で、ほかのFOMCメンバーは利下げに関しても引き続き辛抱強い対応を表明すると見られます。

本日はFRBの理事会がシカゴで会合を予定してます。
日本時間の22:55分に行われたパウエルFRB議長の会見では「FRBは景気拡大の維持のため適切に行動する」との発言を受け、利下げ思惑が高まり、一時下落しました。
ダウは利下げの観測を受け、上昇しています。

短期債券市場では金融緩和を織り込み

現在、米短期債券市場で、2年債利回りは将来の利下げを2008年3月以降で最も織り込んでいます。
リーマン・ブラザーズの破綻時でさえ、金利市場はこれほどには織り込んでなく、現在FOMCが市場にポジティブサプライズを与えうる唯一の方法は、予想よりもはるかに早くの利下げを実施することとなっており、7月は金利据え置きよりも利下げの確率の方が高く、6月19日会合でさえ利下げの可能性があります。
泥沼化した貿易戦争で製造業の景況感指数が弱含みはじめるなど、米景気の先行き不安が強まっており、FRBの政策判断も転換期を迎えつつあるようです。

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