ECB・FOMCを控え様子見ムード

米中間の貿易摩擦に対して楽観的ムードが漂っているドル円相場ですが、本日は主な経済指標の発表もなく材料不足のため、なかなか上値が拡大し辛い雰囲気です
12日にはECBの定例理事会とドラギ総裁の会見、来週18日にはFOMCとパウエル議長の会見があり、19日には日銀金融政策決定会合と黒田総裁会見と、大きな金融イベントが控えていることから、なかなか動きにくい相場となりそうではあります。

ECBは追加緩和に踏み切るのか

欧州の景気や物価の低迷が続く中、追加緩和に動くことは市場でも織り込んでいますが、その中身が焦点となりそうです。
ECBは7月の理事会で利下げ意欲を示し、今回は-0.4%の中銀預金金利を引き下げることが確実視されています。
ただ、利下げ幅をめぐっては0.1%か0.2%で市場の味方は割れています。
大幅な利下げの方が緩和効果は大きい反面、銀行経営が悪化して経済の刺激効果が弱まる副作用も懸念されます。
さらに問題とされているのは、欧州各国の国債を買い入れる量的緩和政策の行方です。
ECBは昨年12月にいったん打ち切りしましたが、追加緩和の選択肢の一つとして再開を検討しています。
市場では再開を織り込む形で、ドイツやフランスの長期金利が低下していましたが、ECBの慎重論をうけ、9月からは上昇基調にあります
10月末に任期満了を控えるドラギ総裁にとっては残された政策決定の場は今回と10月24日の2回のみで、最後に大規模な緩和に乗り出すのではないかと市場では警戒もされています。

日銀は金融緩和の是非について議論

日銀内では海外経済の不透明さの拡大を懸念する声が多く、9月の会合で、物価安定の目標に向けた市場の勢いに悪影響を及ぼさないか調査します。
もし、金融緩和が必要と判断すればさらなるマイナス金利の深掘りが有力な選択肢となりそうです。
ECBやFRBと比べて、日銀には追加緩和の余地が少なく、金融緩和の縮小・停止や金融引き締めの段階を経ている欧米中銀と異なり、日銀は2013年以降長期にわたって金融緩和を続けてきました。
緩和の副作用として、ECBで懸念されている銀行収益は大きく圧迫され、きんゆうしすてむの不安定化や金融仲介機能停滞のリスクもくすぶっています。
日銀としてはこれ以上の追加緩和は避けたいところだとは思うのですが、欧米が緩和に動く中で、日銀だけ現状維持となると、円高の流れとなりかねないため副作用・コスト・リスクが増大しても緩和に動かないといけないという厳しい選択となりそうです。

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