米雇用統計は好調な結果

アメリカ経済のリスク

7日の外為市場では米7月雇用統計が予想を上回ったためドル買いが優勢となりました
新型コロナウイルス追加経済対策法案を巡る交渉は依然難航。合意の兆しは見えず、トランプ大統領が失業給付金や家賃未払いによる立ち退き猶予を含む法案の大統領令を発令し、交渉の時間稼ぎをする可能性が強まっています。

加えて、米中対立も引き続きリスクとなり行方を睨む展開となっており、トランプ米大統領は大統領令を発令し、中国のTikTokと微信との取引を禁止。
さらに、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官に対する制裁を検討していると報じられています。一方で米中高官は米中貿易協定に関する協議を予定しています。

好調だった米雇用統計

7月雇用統計で失業率は10.2%と、6月11.1%から低下し、予想10.5%を下回りパンデミックによる経済封鎖が始まった3月来で最低となりました。
4月に過去最高を記録したのち低下傾向にある。7月非農業部門雇用者数は前月比+176.3万人となった。伸びは過去最大を記録した6月+479.1万人から鈍化したものの予想+148.0万人を上回った結果です。
ウイルスの再燃により経済活動再開が遅れ、労働市場の警戒されていたとおり鈍化したものの、予想ほど落ち込まなかったことは安心感につながりドル買いに拍車がかかりました。

先行指標である民間部門のADP雇用統計で雇用者数が10万人台の増加と、6月から伸びが予想以上に大幅に鈍化したほか失業保険申請件数が7月中旬に3月経済封鎖以降初めて増加に転じたことから、一部のアナリストは失業率の上昇、雇用の減少を予想していました。
このためポジティブサプライズととらえられていますが、ただ、雇用統計は遅刻指標となるため、労働市場の動向を判断するためには引き続き週次失業保険申請件数に注目が集まりそうです。