期末・月末・ロンドンフィキシング

31日の外為市場では月末、期末でドルが続伸しました。
ただ、米国のトランプ大統領は4月中旬の復活祭(イースター)までの経済活動の再開を期待するとしてきたのですが、全米のウイルス蔓延に収束の兆しが見られず、外出自粛要請を4月末まで延長する方針を示しており、景気に一段の影響を与えると懸念されておりドルの上値も限定的となると見られています。

一方で、パンデミックに至った新型コロナウイルスの集団感染が最初に発生した中国では事態が収束し経済が再開しており3月製造業や非製造業PMIは52、52.3とそれぞれ2月に35.7、29.6の過去最低を記録したのち、予想外の50を回復。
数値が正しければ活動の拡大に転じたと見られる兆候とはなっています。

米国では当面景気の一段の悪化を警戒

最新の米3月シカゴ購買部協会景気指数、米3月消費者信頼感指数に注目が集まりそうです。
消費者信頼感指数は米国経済が停滞する中、110.0と2016年11月来の低水準が予想されています。
ゴールドマンサックスは1−3月期の国内総生産(GDP)を‐9%、4−6月期を‐34%と、従来の‐24%、−6%から上方修正しました。

その後は米連邦準備制度理事会(FRB)が31日、外国中央銀行にドル流動性を供給する暫定的なレポを設定し、米国債を担保に外国中銀にドル資金を提供していきます。
月末、期末でドル資金が不足する事態を緩和する目的です
これにより欧州時間よりドル売りの流れとなりました。
その後、ドル円はロンドンフィキシングにかけてドル売りが加速し、ドル円は107円50銭付近まで下落しました。