リスク後退からの上昇

4日の外為市場では新型肺炎の感染拡大を受けて、中国当局がさらなる金融刺激策を講じるとの期待で中国市場が反発したため警戒感が緩和しリスク回避の動きが後退しました。
加えて、3日に開催されたアイオワ州党員集会で明確な勝者が判明しなかったことも投資家の安心感につながったと考えられます。

民主党大統領候補を選出する上で重要なアイオワ州党員集会での集計結果がいまだに判明しておらず、特に反ビジネス支持のサンダーズ氏やウォーレン氏への脅威が後退したことも米国金融市場を支えました。

なぜアイオワ州が重要なのか

共和・民主両党の指名候補を決める大統領選挙の予備選段階は、年明けから11月までの長い大統領選挙の前半戦です(後半は指名候補どうしの戦い)。
アイオワ州が最初の党員集会、ニューハンプシャー州が最初の予備選を行うことは民主・共和両党の規則、および州法で決まっています。

大統領この序盤の戦いが重要である最大の理由は、メディアの報道がこの2州に集中するためです。
両州が候補者にとっては予備選段階の最初の選挙であり、ニュースバリューが高い。予備選段階のスタート段階では候補者の数も多く、多彩であるため、ニュースの注目度も高くなっています。
アイオワ、ニューハンプシャー両州の動向に関する報道が集中すれば集中するほど、両州の動向がさらに重要になり、そのため、メディアはさらに両州の選挙の動向を集中的に報じるというサイクルが繰り返されてきました。
実際、最初の2州でうまく勝利した候補がそのまま、最終的な候補者指名を勝ち抜いていくケースがほとんどで、逆に言えば、両州を抑えないと大統領になることができないとも言われています。
過去にも比較的無名の候補でも大統領になりうる道を開くため、この2州は最初の戦いなのに、最も重要な戦いとして位置付けられてきました。
今回は、明確な結果が判明しなかった事が投資家心理にプラスに働いた結果ドルが買われる流れとなりました。

中国は大規模な景気対策へ

中国での新型肺炎の感染拡大は収束する兆候はなく、死者は増え、感染報告は世界各国で広がっています。
特に中国経済は、エコノミストによると第1四半期に4.5%成長にまで悪化する見通し。
これに対処するため、中国当局はリバースレポ金利引き下げや資金供給に加えて、今後数週間内に政策金利の引き下げに踏み切るとの憶測が強まり、アジア市場を引き上げました。

クドロー国家経済会議(NEC)委員長はFOXビジネスニュースとのインタビューで新型肺炎感染拡大による米国経済への影響は見られないと言及。
ただ、米中第1段階貿易協定による米国の輸出ブームは遅れることになるとしました。
先に、新型肺炎の感染拡大を受けて中国は米国に対して、公約の実行で柔軟性を求めたと報じられています。

日本時間開けて5日の午前11時に米国のトランプ米大統領が予定している一般教書演説に注目が集まります。
クドロー氏によると、本日の一般教書演説ではトランプ政権が達成した経済の功績を強調していくとの事で、ドルを支援する可能性があります。

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