ブレグジットは佳境へ

21日の為替市場、ポンドの動きが注目されます。
イギリスのメイ首相が、EUとの離脱交渉が行き詰まったとの認識を示し、EUは代替案を示す必要があると訴えました。
前日までオーストリアで開かれていたEU首脳会議は、メイ首相の離脱方針の主要な部分を受け入れない姿勢を表明。
英メディアは、EU側がメイ首相の提案を粗略に暑かったと報道、メイ首相はテレビ演説で、双方とも相手に不可能なことを望むべきでないとの考えを示しました。
泥沼化しているEUとイギリスの攻防で、ポンドは下げ幅を拡大、一時1.306ドルまで下落しました。
メイ首相は演説で、英国とEUが袋小路に陥っており、2つの大きな課題で、意見がかけ離れているとして、さらに「悪い合意だったらない方がまし」と繰り返し、「合意なき離脱に向けた準備を続ける」と強い姿勢を示しました。
11月のサミット計画も不透明となり、ポンドは一気に200pipsの下落となりました。

離脱までもはや半年ほどのブレグジットなのですが、全く進展しないアイルランドの国境問題。
アイルランドとの統一を目指すカトリック系住民の紛争に終止符をうつ和平合意が成立してから20年になりますが、来年に迫ったブレグジットが再び紛争の火種にもなりかねないので、実質アイルランドの独立みたいな形を支持するEU側と、英国で意見の相違がみられます。
せっかくEU加盟により、両国間の自由な国境移動になったのに、再び検問など目に見える形で国境が復活すれば、双方の帰属意識が煽られ紛争が再燃しかねないため、関税問題も重要ですが、じつはこの問題が一番やっかいな問題じゃないのかと思われます。
EU、英国どちらかが妥協しない限り解決には程遠く、ハードブレグジットの引き金になりそうで相場に取ってもネガティブな材料のため、この問題が解決する見通しがつかない限りはポンドはなかなか買いにはつながりそうにないです。

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