FRBは年内利下げ示唆

18日から19日まで開催されたFOMCでは金利の据え置きを決定しました。
今後の目標として、世界経済の弱体化や関税問題などの不確実性の増大などに対応するため、年内に0.5ポイントの利下げを実行させる可能性があることも示唆しました。

政治面でもトランプ大統領が2020年の大統領選を見据え、パウエル議長の理事への降格を2月頃に検討していたとの話が今更ながらに出てくるなど、議長への圧力も感じられます。

4月30日から5月1日にかけて行われたFOMCでは、米経済の足場はしっかりしており、先行きのリスクは小さいと見ていましたが、その後、FRBの認識は急激に悪化し、19日までの今回のFOMC後の声明で、景気拡大を維持するために適切に行動すると述べ、利下げについて改めて触れた感じとなりました。

この2ヶ月弱で、米国の貿易相手国第1位と第2位の中国、メキシコとの関係はここ数週間で一段と緊迫しています。
前回のFOMCが開かれた時点では米中は貿易協議の合意間近で、貿易戦争に発展する自体は回避されそうな情勢でした。
しかし、5月5日、トランプ大統領がツイッターで中国がこれまでの合意を反故にしたと怒り、中国製品への追加関税を示唆、その後も両国の交渉は進展せず、10日に2000億ドル相当の中国製品への関税が引き上げられました。

トランプ大統領と中国の習近平国家主席は来週のG20大阪サミットで会談しますが、米国はもし貿易問題で早期合意ができなければ、さらに3000億ドルの中国製品にも追加完成を適用する意向をちらつかせており、油断できない状況です。
さらに貿易問題は拡大し、5月30日には、メキシコがアメリカへの不法移民流入を阻止しないなら、同国からの全輸入品に関税を課すと表明しました。
米国とメキシコは今月7日、関税を発動しないための合意に達しましたが、トランプ政権はメキシコの移民問題に関する合意事項を履行しない場合、関税を発動する考えを変えてはいません。

良好な株価の裏で経済指標の数値悪化

米企業の投資は、今年第1・四半期に急ブレーキがかかり、トランプ政権誕生後もっとも鈍くなっただけではなく、第2・四半期に一層鈍化する気配を感じられます。
5月下旬に判明したデータでは、4月の米資本財に対する新規受注が規定を上回る落ち込みを示しました。
アメリカのGDPに占める割合で企業設備投資は12%にすぎないとはいえ、経済成長が力強さを保つかどうかを判断する上で重要な材料の1つです。
パウエル議長は基本的な見通しはなお明るいが、多くのFOMC参加メンバーは、投資環境と企業心理の悪化を理由に、あまり好ましくない展開になるリスクが増しているとの判断を示していると述べています。

物価目標は依然として底ばい

米国の物価上昇率は、FRBが目標とする2%に向かって切り上がっていく兆しは全くなく、パウエル議長は、消費者や企業の行動を左右する予想物価が軟調に推移しているとも指摘しています。
インフレ連動国債に基づく予想物価上昇率は5月1日以降低下し、今週はおよそ3年ぶりの低さを記録。
物価見通しは安定しているものの、ニューヨーク連銀の消費者インフレ予想など一部指標は低迷している状況です。

低調な企業の反面、好調な個人消費

前回のFOMC後に発表された5月の小売売上高は増加し、4月分も情報改定され、消費は上向いていることがわかります。米国で雇用が増えている点から、米GDPの3分の2を占める個人消費が好調であるのは未だアメリカ経済が強いことを示している指標となっています。
非農業部門雇用者数は5月こそ伸び悩んだものの、直近3ヶ月の雇用は、毎月15万1000人増のペースで、生産年齢人口の伸びに見合うとされる毎月10万人増よりも高い数値です。

世界的にさらなる追加緩和

ECBや日銀からもよりハト派な発言が出てきています。
ドラギ総裁は18日に、物価上昇が加速くしないようなら追加緩和に動くと述べました。
日銀は19日から20日に開いた金融政策決定会合で、金融緩和策の現状維持を決めました。
政策金利については少なくとも2020年春頃まで、現在の長期金利の水準を維持することを想定ているとの先行き見通しです。
この後、15時30分から開かれる日銀の黒田総裁の会見で、景気の現状と先行きについてどのような認識を示すかに焦点が集まります。

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