パウエル議長の議会証言

パウエル議長は10日、通商政策をめぐる不安や弱い世界経済が引き続き米景気見通しの重しという認識を示し、景気拡大下支えに向け、適切に行動する用意があると言明しました。
議長の証言では、通商に関する動きは不透明感が増しており、企業や農家からの不安の声も高まっているほか、企業投資は最近の数ヶ月間で減速が目立っているようだと指摘。
経済成長は全般的に穏やかにとどまっており、弱いインフレが現在の予想よりもさらに長引く恐れがあるとの認識を示しました。

この証言を受け、為替は先日の雇用統計の結果から、利下げの延期期待でのドル買いは後退し、ドルは円に対し一時108.39円まで下落、他主要通貨についてもドルは売られました。
その後、利下げの期待から米株式市場での主要3指数が史上最高値を更新するとドルにも買い戻しが入り値を戻したものの、戻りは鈍い動きでした。

パウエル議長は米下院金融サービス委員会で、6月米雇用統計の結果を受けて見通しを変えたかとの問いに、変えていない、FRBの経済見通しを根本的に変えることはなかったなどと発言。また、中国との通商交渉再開は良い兆候だが、不確実性は完全に拭い去れないなどと述べました。

パウエル議長の思った以上のハト派の発言から、すでに7月に25bpの利下げを視野に入れている投資家も、もしかしたら50bpもあり得るかもしれないと織り込む人も出てくるかもしれません。
ただ、50bpの利下げを行うには長期金利の下落はそこまで深刻ではなく、株価に至っては未だに上昇を続けています。
パウエル議長の発言からも、7月のFOMCでの利下げは、ほぼ確実かもしれません。
実際、金利先物市場ではすでに利下げを100%の確率で織り込んでいます。
逆に7月利下げを行わなかった場合はドルの買い物しの動きで、一気にドル高の流れとなり、荒れた相場となりそうです。

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